身ごもり政略結婚
「いえ。私自身が千歳さんのファンでして、店は継続していただきたい。もしご承諾いただけるなら、業務提携という形を取らせていただき、経営面はすべてお任せいただければと」
千歳を残せるの?
その話には父の目も大きくなる。
「平岡さんには思う存分千歳さんでその腕を振るっていただき、アルカンシエルの受注も受けていただきたいということです。売り上げに応じて弊社もマージンをいただきますが、千歳さんのブランドイメージを味方につけたいという気持ちが強く、多くをいただくつもりはありません」
「はぁ……」
父は何度も瞬きしながら真剣に話を聞いているものの、うまく呑み込めていないようだ。
「それと、企画を通す作業や宣伝をどうするかなどは、弊社にノウハウがございます。そういった面はお任せいただければと」
それ、最高の条件じゃない。
父が苦手とすることをやってくれるということだもの。