身ごもり政略結婚
しかも、マージンも少しでいいって……。
夢でも見ているかのようだ。
「お弟子さんがいらっしゃるとお聞きしましたが、その方にもお残りいただきたいと思っています。作っていただく量が大幅に増えますので、ご負担になるかもしれませんが――」
「負担なんてとんでもない!」
父は須藤さんの発言を遮り、身を乗り出す。
こんないい話が舞い込むなんて奇跡に近い。
父だけでなく私も興奮気味だ。
「そう言っていただけるとありがたいです。具体的なプランは、後日麻井と営業担当からご提案します。アルカンシエルは設備はもちろん、サービス、食事、備品に至るまですべてが一流のホテルです。今後、千歳さんの和菓子もプレゼンテーションしてまいりますが、絶対に契約できると踏んでいます。よろしくお願いします」
それじゃあ、現時点ではまだホテルと契約したわけではないのに、店の再建に手を貸してくれるということ?