身ごもり政略結婚
「結衣。お腹の子の性別を気にしているの?」
「明日検診だから、わかるかもしれないんです」
思い切って口にした。
すると、彼は私の膝の上の手をギュッと握り、真摯な視線を向けてくる。
「俺……たしかに跡継ぎが欲しいと最初に言った。だから男の子を産まなければいけないと思い詰めた――いや、俺が追い込んだんだよな」
彼は苦しげな表情をして私に問いかける。
もうこの機会を逃したら、言えないかもしれない。
嫌われてもいい。胸の内を全部知ってもらいたい。
そう思った私は、すーっと息を吸い込んでから口を開いた。
「それもあります。あとは、お義母さまに何度も電話で……男の子、男の子って急かされて。期待に応えられなかったら、私は須藤家のお荷物なんだろうなって……」
「お袋が? ごめん、少しも知らなかった」
大雅さんは目を丸くして私の両肩に手を置く。
「それにお荷物なわけがない。もしこの子が女の子で、それで結衣との縁を切れと言うなら、俺が須藤の家を出る」