身ごもり政略結婚
倒れて入院したとき、麻井さんも『自分がエール・ダンジュを愛するように、千歳を大切にしていると感じられて気持ちがいい』と彼が漏らしたと言っていたが、本当だったんだ。
「だから、どうしても結婚しなくてはならないなら、結衣とがいいと思った」
大雅さんはそう言うと、大きなため息をついた。
「でも、最低だよな。俺は結衣が結婚を断れないような状況を作って、無理やり妻にしたんだ」
眉根を寄せる彼は、拳を作り自分を戒めるように太ももをドンと叩く。
「大雅さんが強引じゃなかったとは言いません。でも、結婚に踏み切ったのは私の意志です。私もこの結婚に打算的な気持ちがあったんです」
私も彼と結婚することで、千歳を守りたかった。
彼は『無理やり』と言うけれど、断る選択肢もあったのだ。
実際、彼の千歳への熱がビジネス上のものだけだったら断るつもりだった。
千歳の和菓子を本気で好いてくれているが故の提案だとわかったから、受け入れた。