身ごもり政略結婚

「愛してる。ずっと、結衣だけを愛してる」


そして……熱い唇を重ねた。

彼と気持ちが通じ合ってからの初めてのキスは、しびれるほど甘く、幸福で満たされていた。



土曜は快晴。

秋を感じる高い空を見上げて、去年の今頃は〝秋色〟を販売していたな、と感慨深い気持ちになる。

大雅さんのおかげで千歳が存続できたので、今年もショーケースに並んでいるはずだ。


彼は愛を告白してくれてから私にべったりで、一緒にいるときはくっついていたがる。

〝今までしたかったのにできなかったから〟というのが理由らしいが、プレゼンのときの凛々しい顔を知っているので、寝起き以外にも子供っぽいところもあるんだな、なんてこっそり思っている。

今まで知らなかった一面をこうして知っていけたらいいな。


彼と一緒に検診に行くと、南雲先生がエコーで診ながら話しかけてくる。


「赤ちゃんは順調ですね。つわりも落ち着いてきたんですね?」
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