身ごもり政略結婚
お義母さまにすぐさま突っ込まれて口を開こうとすると「結衣も子供も大丈夫だよ」と大雅さんが口を挟む。
私は『結衣も』と入れてくれたのがうれしかった。
お義母さまの口ぶりが、赤ちゃんだけを心配しているように聞こえたからだ。
もちろん、孫に期待しているからなのはわかっているけど。
「よかったわ。検診行ってきたのよね。男の子だった?」
やはり『男の子』という限定的な聞き方に、顔が険しくなる。
「男の子か女の子かは半々の確率だ。その聞き方はおかしいだろ?」
私の心の中をのぞいているかのような発言に驚いて大雅さんを見つめると、視線を絡ませた彼は一瞬眉根を寄せる。
それはまるで、『こんなふうに言われていたのか?』というため息交じりの声が聞こえてきそうな顔だった。
「そう、だけど。期待するのは当たり前でしょ?」
お義母さまの隣に座るお義父さまはなにも言わずに黙っている。