身ごもり政略結婚

「おっ、茶碗蒸しがある!」
「はい。大雅さん、好きでしょ?」
「うん」


私も近づいていくと、不意に腕を引かれて腰を抱かれた。


「けど、結衣のほうが大好物」
「えっ? ……ん」


そして甘い甘いキスの嵐。

気持ちが通いあったあと、彼はたっぷり私を甘やかす。


「はー、ダメだ。止まんない」


何度も何度も角度を変えて繰り返されたキスのあとに爆弾発言。


「ちょっ、ご飯冷めます!」


私が慌てるとクスクス笑っている。

こんなに甘い人だったんだ。
今まで知らなかった大雅さんの姿に、恥ずかしいやらうれしいやら。


ずっとまともに食べていなかったせいか、食が細くなっていて多くは食べられない。

でも、彼と同じ食卓を囲み同じものを口にできる幸せを噛みしめる。


「うまいなぁ。この西京焼きって昨日漬けてたやつ?」

「はい。もう少し漬けておいてもよかったんですけど、なんか私が食べたくなっちゃって」

「あはは。食欲が出てきてよかった」
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