身ごもり政略結婚

でもまさか、それが緊張のせいだったなんて。

仕事で難しい局面も乗り切ってきただろう彼が、父親になれるか緊張するなんてちょっとおかしい。

でも、それだけ大切なことだと感じていたのだと思うと、心強い。


「いいんです。私も緊張してましたし」

「結衣。これから一緒にこの子と成長していこうな。俺、気づかないこともあるから、してほしいことはなんでも遠慮なく言ってほしい」


彼は私のお腹をゆっくりさすりながら、優しい声で囁く。


「私……ギュッと抱きしめてほしいです」


恥ずかしかったけれど、願望を口にした。

もっともっと大雅さんを身近に感じたい。ひとりじめしたい。

すると彼は私の顔をのぞきこみ、じっと見つめてくるから恥ずかしくてたまらない。


「言われなくても。結衣、愛してる」


私の顎を持ち上げて熱い唇を重ねた彼は、そのあと強く抱きしめてくれた。


こうしていると落ち着く。
彼と一緒に、どんな困難も乗り越えていこう。
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