身ごもり政略結婚

アルカンシエルの決定は、その週の金曜。

大雅さんと営業担当者が出向いて結果を聞くことになっているので、私は緊張でソワソワしていたが、彼は落ち着いている。


「結衣。大丈夫だから」
「でも……」


千歳の和菓子には自信があるし、もちろん大雅さんの手腕にも。
けれど、赤池さんのことがあるので一抹の不安は残っている。


「まったく。落ち着かない結衣にはお仕置きだ」
「えっ?」


お仕置きってなに?と思った瞬間、唇が重なる。


「ほら、落ち着いた」


大雅さんはクスクス笑っているが、私は顔が沸騰しそうだった。


「それじゃあ行ってくる。結果が出たらすぐに連絡するから待ってて。おーい、心配症のママを頼むな」


彼はお腹の赤ちゃんに大きな声で語りかけて口角を上げた。


「も、もう。大丈夫ですよ!」
「表情が硬いけど?」


彼は私の頬を指でツンツンと突っついたあと、もう一度キスを落として出ていった。

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