身ごもり政略結婚
私は覚悟を決めてベッドから起き上がり、助産師と大雅さんに両脇を抱えられるようにしてゆっくりゆっくり歩いた。
けれど、エレベーターに乗ったところで再び痛みに襲われて、座り込みたくなる。
「痛ーっ!」
「結衣!」
大雅さんは焦りまくっているが、助産師は私の背中をさすり「もう少しよ」と平然としている。
皆が通る道なのだ。
なんとか陣痛室にたどり着いたものの、冷や汗たらたら。
大雅さんは助産師に言われて私の着替えを部屋に取りに戻った。
「いいパパになりそうね」
大雅さんの献身的なサポートを見たからだろう。
助産師が再びモニターを付けながら顔をほころばせる。
「はい」
おそらくいろんなケースを見てきた彼女がそう言うのだから、間違いない。
「さて、踏ん張りましょうね。もう陣痛の間隔が五分切ってるから、ここからどんどん進むわよ」
助産師は私を励まして一旦出ていった。