身ごもり政略結婚
まだシワシワなのに。
でも大雅さんまでも「美人ですねぇ」なんて助産師にのっかるから、笑みがこぼれる。
「おっ!」
大雅さんがグーに握っている赤ちゃんの手を指でそっと開くとギュッと握るので目を丸くしている。
「パパってわかったのか?」
「ふふふ。そういうことにしておきましょう。でもいつも話しかけていた人の声には反応するかもしれないですよ。お母さんの心音や声を聞くと安心して眠る子も多いんです。お父さん、よく話してあげてました?」
先生がなんだか楽しそう。
赤ちゃんが手を握り返したのは、たしか反射だったはず。
とはいえ、大雅さんの声は認識しているんじゃないかな。
お腹の中にいた頃と同じ声を聞くと赤ちゃんが安心すると知っていた彼は、熱心に絵本を読んで聞かせていたのだから。
「どうかな……」
それなのに、彼が不安そうな顔をするのでびっくりだ。