身ごもり政略結婚
大雅さんと視線を合わせて微笑み合う。
「初めまして。愛結」
そうだった、命名のことなんて忘れていた。
「初めまして。ママだよ、愛結」
私も赤ちゃんに向かって話しかけると、彼はとても優しい目をして白い歯を見せた。
それから私の体は順調に回復しつつある。
といっても、最初は貧血気味で倒れそうになったり、子宮が元の大きさに戻ろうとすることから起こる後陣痛にも悩まされて、眠れなかったりもした。
けれど、大雅さんが育休をとったおかげで、つらいときは話し相手になってくれて気がまぎれたので心強かった。
「須藤さん。愛結ちゃんの聴覚検査の結果、問題ありませんでしたよ」
誕生から四日。
検査のために小児科に行っていた愛結が、小児科の看護師・高原(たかはら)さんの腕に抱かれて戻ってきた。
ほんの三十分くらいいなかっただけなのに、もう会いたくてたまらないのは母性が出てきたということなのかな?
「よかった」
大きな安堵のため息を漏らしたのは大雅さんだ。