身ごもり政略結婚
たった数時間でこれ。コツがわかったのかあっという間だった。
「うわー、すごいな。よくやった。うまいぞ」
大雅さんは大げさなほどに愛結を褒めちぎり、彼女を抱きしめて頬ずりしている。
「いつから?」
「ついさっきです。あっという間に歩けるようになって私もびっくり」
「運動神経いいのかな?」
どこまでも親バカな彼は、愛結を見て満面の笑みを浮かべている。
「そうだといいんですけど」
「あっ、忘れてた。ただいま、結衣」
「おかえりなさい」
彼は私のことを、愛結のママとしてだけじゃなく妻として扱ってくれる。
それがうれしいのは恥ずかしいので内緒だ。
「そういえば、父から桜の錦玉羹を預かってきました。これでOKならもう少し大きなサイズを作るから、アルカンシエルに提案してほしいって」
「おぉ、それは助かる」
愛結を抱いた彼と話しながらリビングに向かう。
その間、愛結は彼のネクタイが気になるらしくずっと触っていた。