身ごもり政略結婚
「愛結、俺は?」
彼女に自分をアピールする大雅さんだけど「ママママ」と繰り返すだけでがっかりしている。
でも、『パパ』もきっとすぐだよ。
「うれしい……」
単なる『マ』の羅列かもしれない。
でも、『ママ、届かないよ』と言われている気がして笑みがこぼれた。
この先、愛結がどんな道を歩いていくのかはわからない。
けれど私たちは彼女が笑顔で羽ばたけるように全力で応援しよう。
そんなことを考えながら大雅さんを見つめると、ふと視線が絡まった。
政略結婚というちょっと冷めた結婚をした私たちだけど、今は愛が満ちあふれている。
「幸せだな、結衣」
「はい。すごく」
私は大雅さんと微笑みあったあと、愛結をしっかりと抱きしめて晴れ渡った空を見上げた。
明日に続く、空を――。
【END】


