身ごもり政略結婚

ちょっと火照った体に、冷たいアイスが入っていくのが気持ちいい。

けれども、食べたいと思ったわりには進まない。

わざわざ買いに行ってくれたのにと思い必死に口に運んでいると、隣でおにぎりを食べていたはずの彼が私を止めた。


「そんなに必死に食うな」
「えっ?」
「もういらないんだろ?」


気づかれてしまった。


「ごめんなさい。買ってきてもらったのに」


申し訳なくてうつむくと、彼は私の手からカップを奪っていく。


「今日、食べ物についてもくわしく聞いてこよう。洋菓子のことなら大体なんでも答えられるけど、赤ちゃんにいい食べ物なんて俺もさっぱりわからない」
「はい」


そっか。私が食べたい食べたくないではなくて、赤ちゃんの成長のために食べる物を選ばなくてはならないのか。

気分が悪くて自分が食べられるものばかり考えていた私は、もうすでに母親失格だと言われた気がして胸が痛い。
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