身ごもり政略結婚

麻井さんの笑顔を見て妊娠を歓迎されていることがわかり、胸を撫で下ろした。


「病院も紹介していただいて、助かりました」

「お役に立てればなによりです。専務が珍しく取り乱していらっしゃったので何事かと驚きましたけど、いいご報告でうれしかったです」


大雅さんが?

冷静すぎると感じたほどで、そんなふうには見えなかったけど。


「取り乱して?」

「はい。あっ、言ってはいけなかったかもしれません。今のは聞かなかったことにしてください。アイス、専務のご指示通り買ってきましたが、これでいいんですか?」


彼が差し出した袋の中には、昨日と同じバニラアイスが数個と、ゼリーが入っている。


「はい。味の濃いものを受け付けなくて。わざわざすみません」

「とんでもありません。おそらく専務も帰りたくてソワソワしているかと思いますが、午前中にちょっとしたトラブルがありまして、遅くなってしまいます。申し訳ありません」
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