ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
ほんとに……どうしちゃったんだろう、ライアンは。
確かに女性好きだって公言してたし、昔は遊んでたらしいけど。
最近はそんなことなくなったと思っていたのに……
やっぱりもう、私に飽きちゃった?
彼は、変わってしまったの?
というより、元に戻ってしまったってこと?
それとも、私が夢でも見ていたのかな……
カバンの中に潜ませた母子手帳とマタニティマークを覗きながら、ふるふると首を振る。
違う、夢なんかじゃない。
私たちが愛し合った確かな証が、あるじゃない。
この子のことだけは、私が守らなきゃ。
たとえ、どんなことが起こっても。
「……よしっ」
無理やり気分を立て直して、私は低いヒールを鳴らした。
◇◇◇◇
「真杉さんのおかげです。ほんとに助かりましたぁ」
心底安堵したように女性――ジュエリーブランド・トワズの新宿店店長、佐伯美桜(さえきみお)さん――が頬にえくぼを浮かべる。