ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

彼の身体越し。
水浸しの床に、散らばった陶器の破片と花びらが見える。

あれを全部、彼が受け止めてくれたの?
私の代わりに?


次の瞬間、彼の体ががくんっと揺れ。

ポタポタっ……
金髪から雫が飛び散った。


周囲がようやくざわめき始めても、彼は歯を食いしばったままだ。
何も言わない。

歪めた口から漏れる荒い息に、不安が募った。
動悸が、次第に激しくなっていく。

どうしよう。
打ちどころが悪かったりしたら。
もしかして、大怪我とかっ……

「っライ――きゅ、救急――」



「君って人は」

掠れた声が、降ってきた。


「……ったく、僕を殺す気かい?」


どこか揶揄うようなその軽い口調に、恐る恐る仰ぎ見ると。
笑みを滲ませた、深く優しい眼差しとぶつかった。

それは、確かにライアンだった。
私がよく知ってる、大好きな……

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