ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

「……僕だけ?」


振り絞るような、切なげな声。

「え?」

見上げた瞳の奥に、仄暗い欲情を見て取って。
ゾクリと背筋へ、痺れるような何かが駆けていく。


「欲しくて欲しくて、おかしくなりそうなのは――」

「っ……」

くらりと、眩暈がした。
言葉なんか、出てこない。


私にできたのは、ただ微かに首を左右に振ることだけだった。


浅い呼吸を繰り返す私の頬から耳へ、彼の指が触れ。


耐えがたい衝動が、襲い来る。


ここがどこだとか、
いろんな状況だとか、
頭の中から一瞬ですべてが吹っ飛んで――


「……っっ……!!」


引き寄せられるがまま、
身体ごとぶつかるみたいな激しい口づけに、進んで身を委ねた。

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