ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

気が付くと私は床の上、ライアンが伸ばした両足の間にすっぽり収まるように座っていて、彼に後ろから抱きしめられていた。


うわ、一体どれくらい時間経ったんだろう?
彼、早く帰らないといけないんじゃ……

「ごめ……い、今どくから」

慌てて身体を起こそうとするんだけど……ダメだ、全然力が入らない。
クラゲみたいに、へにゃっと彼の胸に倒れ込んでしまう。

「ごっごめんね、ちょっとだけ待って」

キスだけで腰砕けるとか、いくつだ私は。

「ひひ、久しぶりなんだから、手加減してよ」

責任転嫁してモゴモゴ抗議する私の髪を弄びながら、彼がニヤリと笑った。

「これでも必死に抑えたんだよ? さもなきゃ、今頃この床に2人分の服が散らばってる。褒めてほしいくらいだ」

「な、……な……っ」

真っ赤な顔を自覚しながら、むぅっと彼を睨んで……


「ぷ」
「ふっ」

ぶはって、二人同時に笑い出しちゃった。


お互い寂しくて、同じくらい欲しがってたってこと。
それがよくわかったから。

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