ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
ひとしきり笑った後。
彼はその手を、私のお腹へと滑らせた。
「少し膨らんできたね」
「そ、そう? あまりわからないかなって思ったけど」
「わかるよ。君の身体なら、隅々まで知ってるから」
「あは、は……」
リアクションに困った私は、曖昧に笑って――
「そうだっ背中は大丈夫?」
昨夜のパーティーでの事故をようやく思い出し、「痛まない?」と彼を見上げた。
「心配してくれるの?」
翡翠の瞳が、嬉しそうに細くなる。
「当たり前でしょ。私をかばってあんな……」
会いに行ったことは後悔してないけど、
外に呼び出してもらうとか、もっと安全な、他の方法を考えるべきだった。
何も考えずに行動して、結果あんなことになって。
「私のせいよね。ごめんなさい、ほんとに――」
「もう君って……」
ため息交じりの声が遮るように言って、彼の額が私の肩にぐりぐりと押し付けられた。
「ら、ライアン?」
「僕に、そんな優しくしちゃダメだ」