ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
「え? で、でも」
「君は僕を殴ったっていいんだから」
「な、なぐっ?」
「二度と口、きいてもらえなかったらどうしようって……怖かった」
小さくつぶやかれたその声音が、微かに震えていることに気づいた私は、ゆっくり首をふった。
「そりゃ……辛かったけど。ちゃんと理由があるんでしょ?」
「そう――だけど、君とベビーにだけは……どんなに謝っても足りない。君の目の前で、あんなこと……」
ぐらりと身体が後ろに傾き、
彼の胸の中に、ぎゅうっと深く抱え込まれた。
目の前ってことは……昨日、シンシアが会社に来た時のことだろうか。
「絶対嫌われた、もう終わりだと思った……」
押し殺したその口調に、苦しみが滲んでいて。
彼もまた、何かと必死で戦ってたんだなって伝わってきた。
視界に入った柔らかな金髪をひと房、ツンと引っ張る。
「ライアン」
「……うん?」
「約束する。何があっても、あなたの味方だって約束するから。だから、全部……話して?」