ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
「飛鳥……」
ライアンの声が、迷うように揺れる。
「君は妊娠中で、デリケートな身体だろ。だから聞かせたく――」
「わかってるの」
彼の言葉に、無理矢理割り込んだ。
「私を守るためだろうってことは、なんとなくわかってる。けど……やっぱり知りたいの。プロポーズしてくれた時、私言ったでしょ? 幸せにしてほしいんじゃない、一緒に幸せになりたいんだって。お願いだから一人で悩まないで? ライアンの抱えてるもの、私も一緒に持たせてほしい」
彼だけが苦しむなんて嫌だ。
そんな姿をみるのは嫌。
だったら、私も一緒に苦しみたい。
そう告げると、彼は「飛鳥って……ほんといい女」と、言葉尻を私の首筋に埋める。
「奇跡だよ、君みたいな人に出会えるなんて」
き、奇跡、は言いすぎなんじゃ……なんて考えながら、
彼が唇を動かすたび肌に灯る熱に、ドギマギしていると。
「わかった、話すよ」と、少し改まった声がした。
「実は……ある要求をされたんだ」
「シンシアから?」
ふわりと、金髪が肯定するように揺れた。
「それを呑まなければ、僕が人殺しだと飛鳥に話すって」