ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

「ひとっごっ……」

人殺し、って言った? ライアンが?
つまり、殺人を犯したってこと!?

全く馴染みのない物騒な言葉に、
心臓が大きく脈打った。


――彼は、危険な男よ。

以前、確かにシンシアもそんなこと言ってたけど。でもまさか……


強張った唇をきゅっと結び。
自分の身体に回された彼の腕へ、ぎこちなく触れる。

……ううん、違う。
彼はむやみに人を傷つけるようなことはしない。
私のこと、何度も守ってくれたもの。
こっちが怯むくらいの愛で包んでくれて……

だから、もし結果として誰かが亡くなったのなら、
そこには必ず、正当な理由があったはずだ。
事故とか、誰かをかばったとか……

きっとそうだ。
そうよ、彼を信じよう。


無言のまま、自分の胸に言い聞かせていると。
そんな私に気づいたらしい彼が、突然「ちょ、ちょっと待って!」と叫び、ガバッと覗き込んできた。

「飛鳥、まさか誤解してないよね? 僕が誰かを殺した、とか」

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