ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
部屋の中で、冷静な女性の声がして。
ピタリと、音が止まった。
――……香菜?
カツン、と足音がドアから離れて行く。
耳を思いっきりドアに押し付けてみても、あとは何も聞こえない。
さっさと立ち去るべきだって、わかってるけど……
まるで、ドラマのクライマックスシーンでお預け食らった気分だ。
気になってしまって、なかなかその場から動けない。
ほら……その、あれよ。
ライアンに2人がどうなったか報告しなくちゃいけないし。
訳の分からない理屈をつけて。
つまるところ、好奇心に負けて。
音を立てないように気を付けながらドアを細く開け、そぉっと中を覗きこんだ。
キョロリと目を動かして――いた、部屋の中央。
見つめ合ったまま立ち尽くす、大河原さんと柴田さん。