ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
2人とも、一言も話さない。黙り込んだままだ。
まるで音のボリュームを誰かがゼロにしちゃったみたいに。
シンと、埃が舞う音すら聞こえるみたいな沈黙。
なんだか……だんだん不安になってきた。
もしかして、全部私のカン違いだったらどうしよう?
別人だった、とか。
いや、それはないと思うけど。
今お互いの名前、呼んでたし……
と、ジリジリしながら見守って――
先に口を開いたのは、柴田さんだった。
「真杉さんに、会わせたい人がいるって言われて……誰かと思ったけど。あまり変わってないのね。すぐわかった」
「あ、あぁ」大河原さんは浅く頷く。
「香菜は――……黒くなったな」
ガクッと肩が落ちた。
いつもの冴えわたった毒舌はどこへ行ったんだろう。
女性に対して、さすがにその言い方はちょっと……。
ハラハラする私の耳に聞こえてきたのは。
弾けるような笑い声だった――柴田さんの。