ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
「司、全然変わってない。そういうとこ」
「そ、そうかな」
照れたように首の後ろへ手をやる大河原さんに。
「誉めてないってば!」って突っ込んで、また柴田さんはケラケラ楽しそうに笑う。
「今は? 何してるの?」
「まぁ、一応……サラリーマン?」
「なんで疑問形なのよ」
「いや……なんとなく?」
「っぷ、……ぷぷ」
なんか、すごい……
あの大河原さんが……地獄のオニガワラと恐れられた人が……
挙動不審気味にタジタジして、形無しなんて。
絶対誰も信じてくれなさそう。
ムービー撮っとくんだったって後悔する私をよそに。
2人は最初の緊張がほぐれたのか、近況報告を始めたらしい。
オオタフーズ、サンビバレッジ、宣伝部、なんて台詞が聞こえてくる。
この機会に、2社合同のキャンペーンを提案してみようか。
いやいや、ちょっとそれは悪ノリしすぎか。
でもなんか……いい雰囲気。
ほのぼのした気持ちで、そろそろ切り上げようかと身体を起こしかけた時だった。
「森田に聞いたよ」
大河原さんが、少し緊張気味に切り出した。