ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
「君が、俺の前から消えた理由」
「……そう」
「どうして何も、言ってくれなかったんだ?」
詰るようでもなく、ただ少し悲しそうに見つめる大河原さんへ。
柴田さんは肩をすくめた。
「言えるわけないじゃない。あんなに子ども欲しがってたあなたに」
「子どもを……」
つぶやくように口にした大河原さんが、首を傾げる。
「森田もそんなことを言ってたが……俺がいつ、子どもが欲しいなんて言った?」
え、違うの!?
心の中で盛大に突っ込みつつ、そう言えばと考える。
大河原さんて、どちらかというと気難しい学者肌って感じで。
子煩悩なマイホームパパってイメージじゃないけど……
すると。
柴田さんの頬が突然、少女のように紅く染まった。
そしてモゴモゴと小さく口を開く。
「言った、っていうか……その、卒業したら、し、してくれなくなったでしょ」
「してくれない? 何を?」
「……に、ん」
「え、何? 聞こえない」
「避妊っ!! してくれなかったじゃない!」