ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
『じゃあうまくいったんだね?』
「大丈夫、だと思う。いい雰囲気だったし」
私が請け合うと、電話の向こうでライアンの楽し気な笑い声がした。
『さすが、飛鳥マジックだね』
「別に、今回は私が紹介したわけじゃないけど」
でもやっぱり、幸せになってくれたら嬉しいな。
チラッと視線を前方へ向けると、そろそろイベントの終了時間にも関わらず、まだ大勢の人でにぎわう会場内、その一角に佇むライアンが見えた。
やっぱり彼のセレブオーラは際立っていたけど。
サングラスをかけ、ネクタイを緩め。
プライベートです、って雰囲気全開で携帯使ってると、声をかけづらいものらしい。
遠巻きにしながらも、周囲の人がそれ以上彼に近づく気配はない。
あの人たちは、彼の通話相手が今、この場にいるなんて考えもしないだろうな。
――電話、してもいいの?
別れ際に聞いた話では、シンシアのボディガードたちの視線を感じることはあったものの、四六時中監視されてる、というわけじゃなかったらしい。
――どちらかというと、彼女が僕を見張ってるっていうより、僕が彼女を見張ってたわけだからね。