ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
まだ子どもっぽさが抜けない顔立ちは、100%日本人のようだ。
どれほど見ても、やはりSDの関係者には見えないけれど……
誰かに金で頼まれたのかもしれない。
『おーい! もしもーし! どうした? 聞こえてるか?』
かすかに男の声が聞こえた――床に落ちた携帯からだ。
すると。
彼の目が、おどおどと逃げ出した。
つまり電話の相手が仲間……って。
おいおい、わかりやすすぎるだろ。
精一杯虚勢を張っていても、根は嘘がつけない正直者なのか。
単に幼いだけなのか。
SDがこんな奴を使うだろうか……
奇妙な疑問を感じながら、男があたふたと伸ばした手より先に、携帯を拾い上げ。
耳に押し当てる。
「あなたは何者だ?」
電話の向こうで、誰かが息を飲む気配がした。
『それはこっちのセリフだ。誰だお前……ミユキはどうした? まさかあいつに何かしたのか!?』
ガツン、と頭を殴られたような衝撃が走った。
その声に、聞き覚えがあったからだ。
この声は……間違いなく。
「……矢倉?」