ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
「じゃあ、僕はこれで」
さっさと戻ろうと、2人に背を向けて――
「リーさん」
矢倉に呼び止められた。
「あなたのこと……信じていいんですよね?」
責めるような口調と目線、それはそのまま、彼の僕に対する不満の表れだろう。
仕方ない、自業自得だ。
「もちろん」
見つめ返して頷き。
その険しかった表情が少しだけ和らいだことを見届けて、僕は来た道を引き返した。
◇◇◇◇
RRRRR……RRRR……
「でないな」
一応、結果を報告しておこうと思ったんだけど。
飛鳥は携帯に出ない。
クライアントと話し込んでるんだろうか。
マナーモードで気づかないのかもしれない。
後でかけ直そうか。
電話を切ろうとした瞬間――
『……もしもし』
聞こえた声に、全身が冷水に放り込まれた様に硬直した。
それは、男の声だった。