ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
どくんどくん、どくんどくん……
くそっ……
シンシアの帰国で、完全に油断していた。
まさか今、仕掛けてくるなんて。
バレたのか。
シンシアに、あるいは彼女の仲間に、飛鳥と別れてないことが。
もしかしたら、彼女の妊娠のことも……
考えたくない最悪の展開に、心臓がキリキリと締め上げられるようだった。
飛鳥――!
BBBB……
唐突に震えだしたのは、僕の携帯だ。
脅迫電話、という言葉がとっさに脳裏をかすめる。
要求されるのは、金か、それとも別のものか。
なんでもいい。
惜しいものなんて何もない。
飛鳥が無事に帰ってくるなら、なんだってくれてやる。
ろくにディスプレイも確認しないまま、僕は通話をオンにしていた。
「Hello」