ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

ガチャっ!
無我夢中でドアを開けて、中に飛び込み。

「あっ……!」
「えっ?」

全員のあっけにとられた顔を、ドアの向こうに押しやるように閉め。
震える手で、内カギをかけた。

――おいっ! 何やってんだ!
――ちょっと、どうしたのよっ!
――鍵をかけやがったぞ! くそっあの女……こっちが下手に出てればいい気になりやがって!
――隣へ回れ! ……なんだと? ドアはここしかないのか!?
――鍵持って来いっ!


室内を見回すと……窓から入るぼんやりした明かりだけで、簡単に全体が見て取れるくらい狭い部屋だった。

スペースの大半を、白い布をかぶった家具で占められていて。
鼻をつくのは、薬品の匂い。
まるで病院の診察室みたいな……と考えて、ぶるっと首を振った。
布の下に何があるかなんて、想像したくもない。


――鍵がないだと!? バカなことを言うなっ! 

バンバンッ!

吹き飛ばすような勢いで叩かれるドアから離れ。
目についたパイプ椅子を手に、窓へ駆け寄る。

汗にまみれ、感覚のない手を必死に動かして、軋んだ音をたてて抵抗するそれを、なんとかこじ開けた。

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