ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
こっちに近づいてくる。
でももう、立ち上がれない。
汗でべったりはりついた前髪をかき上げて、視線を上げた。
屋根の隙間から覗く黒い夜空へ、愛しい人を思い浮かべる。
「ライアン……ごめんなさい」
コツコツコツ……
足音は、どんどん大きくなる。
そして。
眩しい光が、私を捕えた。
「見上げた根性ですね。さすがに、あのライアン・リーが惚れただけのことはある」
ニセ秘書が、呆れたように私を見下ろしていた。