ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

ライアンの肩越し、恐る恐る視線を上げると――ニセ秘書が、片頬を皮肉気に持ち上げて最上を見ていた。


「お探しのものは、これでしょう?」

そう言って……手のひらの上で、何かを弄んでいる。
カチャカチャって、軽い音がしてるけど。


まさか、銃弾? どうして彼が……?



「たた田中っ? お前が抜いたのか、何を考えてるんだ……!」

「田中、ねえ」
呼ばれた本人が、その名前を可笑しそうに繰り返す。

「おかしいと思いませんでしたか、ライアン・リーがなぜこの場所をこんなに早く突き止めることができたのか。あなたが苦心して隠してきた極秘の、この場所を」


「なんだと?」
「なんですって?」
調子の外れた2つの声が、シンクロした。


「答えは、私ですよ。彼は、私の持つGPSを検索して、ここまでたどりついたんです」

「どどういうことだ……つまり、裏切ったのかお前がっ!?」




「仕方ないでしょう。それが私の――いや、僕の、仕事ですから」



< 286 / 394 >

この作品をシェア

pagetop