ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
ライアンの肩越し、恐る恐る視線を上げると――ニセ秘書が、片頬を皮肉気に持ち上げて最上を見ていた。
「お探しのものは、これでしょう?」
そう言って……手のひらの上で、何かを弄んでいる。
カチャカチャって、軽い音がしてるけど。
まさか、銃弾? どうして彼が……?
「たた田中っ? お前が抜いたのか、何を考えてるんだ……!」
「田中、ねえ」
呼ばれた本人が、その名前を可笑しそうに繰り返す。
「おかしいと思いませんでしたか、ライアン・リーがなぜこの場所をこんなに早く突き止めることができたのか。あなたが苦心して隠してきた極秘の、この場所を」
「なんだと?」
「なんですって?」
調子の外れた2つの声が、シンクロした。
「答えは、私ですよ。彼は、私の持つGPSを検索して、ここまでたどりついたんです」
「どどういうことだ……つまり、裏切ったのかお前がっ!?」
「仕方ないでしょう。それが私の――いや、僕の、仕事ですから」