ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
聞こえたのは、いっそのどかなくらい淡々とした声だった。
「お姫様のおかげで、たっぷり時間をいただけましたので」
次の瞬間、ドキンと鼓動が打ち。
反射的に顔を上げる。
なぜかわからない、でも……何かを“感じた”。
「なっ……!」
目をいっぱいに瞠る。
自分の見ている景色が、信じられなくて。
私たちはいつの間にか、そこにいる人数をはるかに上回る大勢の男たちにぐるりと取り囲まれていた。
屋根の上、倉庫の入口や窓……
50……70? ううん、もっと……?
とにかく、たくさんの影が蠢いてるのがわかる。
声も物音も、全く聞こえない。
何者だろう。
その不気味な雰囲気は、素人目にも普通じゃない集団に見える。
最上たちも気づいたらしく、足をもつれさせながら後ずさる。
「こ、こいつらは一体……」