ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

「我々が契約している傭兵です。戦闘のプロですから、五体満足で生きていたければ抵抗しない方が身のためですよ? まぁ無理にとは言いませんが」


その言葉が、決定打だった。


最上がまずガクッと膝をつき、石塚や手下の男たちも次々と武器を取り落とし、両手を上げた。
そして、シンシアも……

「なんなのよっなんなの、こんなことでなんでわたしが、こんなところでっ…………×××、×××……!!」


地団駄踏みながら、わめいた最後の部分は、たぶん中国語だ。
私には聞き取れなかったけど、それでよかったんだと思う。

見上げたライアンの顔が嫌悪感も露わに歪んでいて、相当ひどい言葉なんだってことが予想できたから。


「ライアン……」

小さく呼ぶと、彼の眉間の皺が瞬く間に解けた。
「飛鳥」

柔らかな声と眼差しに、
ようやく終わった、もう大丈夫なんだと、安堵が波のように押し寄せてきて。

忘れていた疲労感が、今更ながら全身に蘇る。

ちょっと、眠ってもいいかな。
すごく疲れちゃった、から……

口の中でつぶやきながら、彼へともたれかかった。


「アスカ・マスギ!」

< 289 / 394 >

この作品をシェア

pagetop