ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
重たく沈みかけた意識が、わずかに浮上する。
シンシアの声だ。
「忠告してあげるわ! ライをシンガポールに行かせないことね。行かせたが最後、あの老いぼれは彼を鳥かごの中に閉じ込めて、鍵をかけてしまうわよっ!」
「飛鳥、聞かなくていい」
ライアンが、そっと私の両耳を塞いだ。
「ゆっくりお休み」
額に落ちる唇を感じて、再び瞼が落ちていく。
バラバラバラバラ……
意識が途切れる寸前、上空の彼方からこっちへ、近づいてくる規則的な音を聞いたんだけど。
それが私を運ぶために手配されたドクターヘリだったことを知ったのは、病院のベッドの上だった。