ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

その数日後の朝だった。
総帥が僕を呼んでいると、病院から連絡が入ったのは。

マリアに急遽すべての予定をキャンセルしてもらい、用意させた車に飛び乗る。
後部座席に腰を落ち着かせた、次の瞬間。

RRRRR……

図ったかのように、ジャケットの内側に入れた携帯が鳴り出した。


ディスプレイに表示された番号は、見知らぬものだ。
わずかに眉が寄ったけれど……
車を出してくれと運転手に頼んでから、通話ボタンをタップした。
「Hello?」

誰だろう?
ゆるやかに走り出した窓の外、街並みから目を逸らし、通話に意識を集中させる。

途端。

ジャラジャラジャラ……!
きゃあっ! ワオ!

流れ込んできたのは、鼓膜が破れそうな凄まじい騒音とけたたましい笑い声、歓声で。
慌てて携帯を耳から離した。

な、なんだこれは……


《ジャックスの住み心地はどうだ?》


低く唸るような、気だるげなアメリカンイングリッシュ。
これは……

どっと疲れが体に回っていくような心地がして、こめかみを強く指で押した。
頭も痛くなってきた。

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