ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】


「彼は、帰ってきませんよ」


道路を滑るように走り出した車の中。
視線を前へ向けたままの彼にイキナリ言われ、ぽかんとした。


「……あの、それはどういう……」


「先週、本社の知り合いに聞いたんです。なんでも、ヨーロッパの某国王女が総帥を見初めたそうで。内々に、見合いの打診があったそうです」


どくんっ……


お見合い?
ライアンが、王女さま……と?

「会社としても、これ以上の縁組はありませんからね。大騒ぎらしいですよ」

縁組? つまり、結婚……?

ぐらりと視界が揺れたような気がして、縋る様にシートに爪を立てた。


彼が、他の人と……? まさか。
嘘よ。そんなの、信じない……


「やめませんか」
「……え?」

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