ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

もしかして彼、お別れに来たんじゃない……?
最後くらいは自分の口で、って……


「連絡しなくてごめん。今日帰れるかどうか、ギリギリまで調整してて……間に合ってよかった」

言われたらどうしよう、君よりふさわしい人を見つけたから、結婚できないって……


「直接話したかったから、飛鳥に。知ってると思うけど、僕はリーズコーポレーションのCEO、つまりリーズグループの総帥位を引き継ぐことになって……」

ゆっくり、慎重に言葉を運ぶライアン。
あっという間に全身が、さっきとは真逆の温度に震えだす。



「日本に戻ることができなくなった」



あぁ、やっぱり――



目の前の光景が色彩を失い、一気にモノクロの世界へ沈んだような気がした。


「今後は、シンガポールに拠点を移すことになる。約束を守ることができなくて、飛鳥にはすごく申し訳ないと思ってるけど、でも――……飛鳥?」

きつく両耳を塞いでいる私に、ライアンが首を傾げる。

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