ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

「あら、類友だったくせにー」

ジトっと見つめられて、たじろいだ。

「ちょっ……あいつとオレを一緒にしないでよ」

焦るオレの首に両腕を絡めて、あやすように見上げる奈央さん。
「そうね。拓巳は変わった。ライアンも、でしょ?」

「う。まぁ……そう、だけど」

それは、事実だ。
あいつは変わった。オレ以上に。


――強くなれ。彼女を守れるくらい、強く。


オレの言葉を、あいつは実践し続けている。


出会ったばかりの頃は、ただの女ったらし、に見えなくもなかったあいつが。

飛鳥さんを守るため、飛鳥さんを幸せにするため
ただその想いだけで、自分を変えた。

眠っていた才能を目覚めさせ、高みへと羽ばたいて――


「何を考えてるの?」

「んー……女性って、すごいなって」

奈央さんの腰を引き寄せ、嘆息する。

< 392 / 394 >

この作品をシェア

pagetop