ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

優羽も、いつかそんな風に、誰かに影響を与える女性になるんだろうか。
オレの手を放して、そいつの元へ……

彼女の消えたドアから視線をはがし、奈央さんのうなじへ額をうずめる。

「奈央さん……3人目、欲しくない?」

言うなり、ぷっと奈央さんが吹き出す。

「何よ、寂しいの?」
「う」

この人は、オレのことなら何でもお見通しだ。

「困ったパパね」
揶揄うように言うから、仕返しとばかり抱き寄せて。
白く細い首筋へ、ちゅっと吸い付いた。

「ちょっ……や、っ……!」

身体をすくめ、咎めるように見上げるその瞳に、けれど強い拒否の色はない。

「早く、夕食にしようか」

デザートが待ちきれないから、とささやくと。
その頬がかぁっと熱を帯びていく。

「も、もうっ」

恥ずかしそうにオレの腕の中でもがいた彼女だったけど――
つと、動きを止めた。


「そういえば、ずっと聞きたかったことがあるの」

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