只今、愛の診察中につき。

あんなシーンを見させられて、拒絶したのはわたしの方なのにーーー

なんで、そんな人に触れられてこんなにも嬉しいと思ってしまうのーー?

開かない目からツーッと涙がつたったのが自分でもわかった。

そして、瞼から見えてた明るさにふと陰が出来たと思ったら、わたしの唇に彼のそれがふわりと優しく重なった。

「…っ!」

すべての気力、体力を振り絞りハッと目を見開き
彼の姿を探すも、もうこの部屋には彼の気配はなかった。

彼ーー。要さんは、わたしにキスを落としすぐに去ってしまった。

わたしが起きなかったからだろうか。

こんなのズルいってわかってるけど、

名前、呼んで欲しかったよ。

顔が見たかったよ。

許せないのに、もう戻れないのに
どうしてまだこんなにも好きなの…?

「う…っ」

要さんが触れてくれた唇にそっと自分の指をあてながら、涙は絶え間なく溢れて暫く止むことがなかった。



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