只今、愛の診察中につき。
「あら、お義姉さんでいいのに。そんなことより大変だったわね、具合はどう?はい、これお見舞い」
「…いえ、そんな…」
要さんと付き合ってた頃の癖でつい「おねえさん」なんて呼んでしまったけど、今はもう、呼んだらいけない。
そんな遠慮しまくりなわたしに馨さんは
お見舞いとして、文庫本を数冊わたしにくれた。
「これ…っ!?」
全部、わたしが好きで買い集めていた作家さんのシリーズ物の最新巻ばかりーー。
どうしてーーー
なんて、訊かなくても解る。
きっと、要さんの配慮だ…。
「……」
わたしがジッと文庫本を握り、押し黙っていると馨さんが口を開いた。
「響ちゃん」
「はい…」
「退院したら、身を寄せるところあるの?」
「……」
あるわけが、ない。
「…あの赤髪クンのところ。じゃ、ないわよね?」
「…違います」
もう、叶の部屋には行かない。
「よしっ!じゃあ決まりねっ!」
「……え?」
「退院したら、わたしの家にいらっしゃい!」
「えっ!?」