幼馴染は恋をする
「柳内さんの存在をこうして知ると、遡って考えてみると、朝の行動、理解できてくる物もあるな」
「急に思い付いて言ったこととかね…」
あ…お母さん。
「ごめんなさい、驚かすことばかりして」
「…朝、……はぁぁ、お父さんは腹を立てて勘当だ!なんていう状況でもないんだ。そんな仲ではなかったから。今はまだいきなり過ぎて解らないってところが正直な感想だ…。モヤモヤして…まだ咀嚼できない。全然飲み込めないんだよ。まだ子供だと思っていた。いや…、あれほど離れた大人となんて……んんん、…はぁ。…とにかく、ショックなんだ。…動揺してるから…何を言うか自分でも解らない。酷いことも言いたくない…今日はこれ以上話すことはない。
朝も朝で柳内さんと話があるんだろ……もういいから、行ってきなさい」
「…お父さん。…はい」
「朝…、ちゃんと帰ってくるのよ?」
「あ、お母さん…解ってる。……あの、お父さんお母さん、急に来たのに、柳内さんに会ってくれて話を聞いてくれて有り難うございました」
頭を下げた。
「朝……やだ…朝……。お父さん、朝がこんな…」
私は二階に駆け上がり、バッグと上着を手に、行ってきますと声をかけて家を出た。
柳内さんの部屋に急いで向かった。
「お父さん、朝があんなこと…」
「ん、……成長してるってことだ。それはそれで…はぁ、しかしなぁ……どういうことだ…高校を出たばかりの、まだ子供じゃないか…」