幼馴染は恋をする
(柳内さん…)
服の腕を引っ張った。
「あ。ん?」
(恵和君は、柳内さんと私で。私、苛めたりしません。大丈夫です)
サラサラと書いてメモ用紙を見せた。
朝…。うん。頷いて返した。
「恵和は俺が育てる。会いたい時があったら麻衣が会えばいい。それでいいだろ?恵和、居るか?」
「居るわよ…」
「帰って来るように言ってくれ。こっちからも迎えに出るから」
「解った」
「麻衣、そっちの結婚のことで、俺は何一つ口出しはしてない。だから、恵和のことでならいくらでも話はするが、こっちのことには干渉しないで欲しい。朝には接触しないで欲しい。これは俺からの頼みだ。お願いします」
「…あ。私にお願いしますなんて…。余程大切なのね」
「ああ、一途に思ってくれてる。大事にしたいと思ってる」
「はぁ…、そんなこと、言う人だったのね。大丈夫、私だって干渉されたくないから、しない」
「じゃあ、恵和を出してくれ」
「はい。恵和~、お父さんよ~。…はい」
「もしもしお父さん?」
「恵和、朝ちゃんと迎えに行くから、お母さんにバイバイして直ぐ出て?解った?」
「解った、じゃあね」
プ。
「あ、勝手に切られた。……朝、有り難う」
「迎えに行きましょう?大輔さん」
「朝…」
抱きしめられた。
「朝…可愛いことを言ってくれて……嬉しくて俺は…こんな時なのに、もう色々と我慢が利かなくなりそうだよ。朝…」
柳内さんの唇が軽く触れた。
「…ぁ…嫌じゃなかった?…朝…急にごめん、びっくりしただろ、ごめん、あぁごめんな…」
労わるように抱きしめられた。…嫌だなんてことあるはずがない。…でも…私。…ごめんなさい。
「はぁぁ…心臓…止まりそうです」
「ああ、ごめん。また止まりそうか……はぁ、有り難う、朝…。恵和のことは無理せず自然に。今と変わらなくていいから。恵和のお姉ちゃんでいいから…」