幼馴染は恋をする
「恵和君~」
「あ、ともちゃん!お父さん」
走ってきた。速い。
「危ないぞ~。飛び出すな」
「大丈夫、車、来てなかった。もう転んだりしないから。僕も手、繋ぐ」
「早かったな」
「うん。ずっと走ったから」
柳内さんと私の間で手を繋いだ。
「フフ、みんな…仲良しだね」
…こっちはってことだろうか。ふとそう思ってしまった。
恵和君はそろそろこういうこと、恥ずかしくなってくるのかも知れないな。まだ大丈夫なのかな。子どもと接するのって、こういうことが貴重な時間かも知れない。…そうだ…お父さんがそんなことを言っていた。貴浩君がご飯を食べにきた時だ。あっという間に大きくなるって。親の知らない…秘密も増えるって。
「そうだね。柳内さん…私、帰らないといけない。ちゃんと帰って来なさいって言われてるから」
「はいって返事したんだね?」
「はい」
「じゃあ、約束は守らないといけない。恵和、今から朝ちゃんを送っていこう」
「うん。今度はともちゃんを送るんだ。お迎えはいつ行ったらいいの?」
あ。お迎えか。…ちゃんとして、恵和君のうちに行くからねって言ったら、きっと迎えに来てくれるんだ。いつになるかまだ解らないけど、……なんだか嬉しい。
「…凄い…。無邪気な子供の言葉ってストレートですね。あ、私、今凄く都合のいい想像をして、幸せな気持ちになってました」
「ん、そうだな。部屋はもう契約は済んでるの?当たり前か、とっくに済んでるよね。時期的に早く契約してないと難しいもんね」
「はい。決めるのは早かったです…渋々って感じでしたけど。でもまだ家に居なさいって」
「そうだろうね、心配で仕方ないだろうから」
「はい。私、まだ柳内に聞いて欲しいことも聞きたいことも沢山あるんです」