幼馴染は恋をする
「そうだな、俺も込み入った話はまだしてないし。朝より長く生きてる分、色々あるからね?そこは覚悟しといてよね?」
「えー?!…はい。大人ですからね」
「ハハハ、大丈夫だよ」
「こうして歩いて、うちに行って、いつか一緒にご飯とかできるようになったらいいですね」
「…うん。状況が良くなったとしても、緊張はするけどね」
「あ、そうですね。うちの親だから」
「ともちゃんのお父さんはたけのりさんて言うの?」
「え?そうよ。よく知ってるのね」
「うん、おばさんがね、走って行く時ね、そう言ってたから。ね、お父さん。お父さん、あなた、たけのりさんは、全部ともちゃんのお父さんのことだよね?」
「そうだよ」
「お母さん、そんなこと…。お母さんがお父さんのこと名前で呼ぶとこ、聞いたことない。恵和君、聞いちゃったんだ」
「うん!」
「剛憲さん、て、フフ、聞いてみたい…」
「それだけパニックになったってことだよ。申し訳なかったな、驚かせて。……朝、こっち向いて…」
囁かれた。
「え?」
「シーッ…恵和には内緒…」
恵和君の頭の位置よりかなり上でのことだ。頬に唇が触れ、口に軽く触れた。あっ!
「…会えなくなると思ったら…収まらなくて…ごめん。大丈夫?……やり過ぎかな…」
…大丈夫じゃない。ボッと一瞬で血が上った。きっと顔が赤くなってるはず。帰ってからベッドで転がり続けちゃう…。
「だ、大丈夫、です…」
「な~に?」
「何でもないよ。あ、ほら、もうついちゃうぞ」
「うん」