幼馴染は恋をする

私達に変わったことはない。それは結婚はまだだということでだ。

一人暮らしをしている私と、恵和君と暮らしている柳内さん。つき合いは順調?なんだと思う。時々ご飯を一緒にして、週末には泊まったり。そんな感じで行き来している。

結婚しても仕事は続けていいんだよと言われている。今の仕事、好きで就いた仕事ではない。そういう意味では未練はない。何になりたいとか、したい職業もなかった。収入を得るために就いた仕事だ。自立が目的だった。
だけど、就職する時に朝が朝なりに努力して就いた結果だから、簡単に辞めて欲しいとは思わないよと言ってくれた。社会を知らない内に頑張ったことは無下にはできないよと。嬉しかった。もし結婚したら、家族に影響のない時間帯でできる仕事を探したいと思った。
私の頭は…“好き”がなければ、漠然と大学に行っていただろう。それを両親も望んでいたし。
行くことが良かったのか、行くことで得られていたもの、それには出会えなかったけど。

私にはかけがえのない人がいる。
同級生、友達、幼馴染…。どれも当てはまる。
彼が居なければ、私は気持ちを持続することはできなかったのかも知れない。
急な頼み事をいつもきいてくれて、助けてくれた。大好きな人だ。

「朝?行こうか」

「はい」

「緊張するな…」

「僕はしない、おじさんもおばちゃんも優しいから」

「恵和君、お行儀もいいし、とにかく可愛いみたいです、男の子っていうのもあるみたいです」

「俺も男の“子”だったらなぁ」

「それじゃあ、会ってないし、恵和君だっていないじゃないですか」

「そうだよな…」

今日は私の実家に呼ばれている。
挨拶に行ってから暫く後、たまに呼ばれてうちでご飯を食べるようになった。
つき合いは上手くいってるのか、様子見をされてるような感じだ。言葉の報告より、目の前で見る三人の様子が一番明確に解るということだ。
挨拶をしに行った段階でつき合ってないのだから、まだまだ何があるのか解らない、そういう監視的なものもある。それは私がまだ柳内さんとつき合うには断然幼いということだ。
徐々にスキンシップは増えていると思う。その熱の差?といえるもの、それは私と柳内さんでは差があり過ぎるのだと思う。
大人と、まだ何も…未経験の、そういった意味でも子供の私だから。

「あぁ、ついたな」

「はい」

「ピンポン、僕が押すからね」
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